①授業設計は「単元全体についての授業設計」と「本時の学習指導についての授業設計」の二つに分類される。単元とは、生徒にまとまりのある認識を形成していく際の、一つの完結した学習経験の単位のことである。そしてこうした単元が集められ、配列されて、年間指導計画が編成される。
授業設計の手順として、まず単元の目標を検討する。単元の指導目標の内容として、何をどこまで設定するかを決めるためには「教科・教材の狙い」と「生徒の実態」が必要である。教科・教材の構造や系統から見て重要な内容で、かつ、生徒の成長や発達にとって必要で望ましいと考えられる内容が目標として設定されなければならない。そのため教師には、教科や教材の内容について、また生徒の事前の実態に関して、広く深く知識が必要である。具体的に単元指導目標を設定するには、学習指導要領を参照する。教科や領域について、目標と内容が関連を持って系統的に示されているからである。このようにして設定される単元指導目標は対象である生徒の実態に照らしても、必要なものと判断された目標でなければならない。その判断の根拠を明らかにするための記述が単元設定の理由である。この理由...