為替市場における弱度効率的市場仮説の検証

閲覧数1,906
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 12ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    Fama[1970]は、「市場が利用可能な全ての情報を正しく反映するとは、過去及び現在の情報を価格が全て正しく反映しているという事であり、将来起こりうる価格の変化は、現在入手する事の出来ない新しい情報によって引き起こされる事になる.新しい情報はランダムに発生すると考えられるので、市場が効率的であれ
    ば、価格変化もランダムにならなければならない.」と述べている.これは、言い換えれば、利用可能な情報を全て用いたとしても、将来の変動予測をすることが不可能であるというもので、変動はランダムウォークであると言える.この効率的市場仮説の1つである弱度効率的市場仮説とは、過去の変動から将来の変動予測をする事が不可能であると定義される.本稿の目的はその成立を検証する事である.本稿では、線形時系列モデルを利用して、為替市場における効率性を検定する.ここで注意しなければならない事は、為替レートのような時系列データを使用する場合、過程の定常性が満たされているか否かという点である.以下、3 章では、過程の定常性を確認する.4 章では、3 章を踏まえて時系列モデルを推定する.4 章では加えて、回帰モデルの推定パラメータに関する検定を行い、為替市場の効率性の成立を検証する.5 章では、構造変化の確認を行う.本稿では、仮定が満たされているか否かの確認を、誤差項に系列相関が存在するか、また誤差項の分散が時間を通じて一定であるかという二つの観点から検証する.6 章では、推定されたモデルの残差に系列相関が存在するか否かをBreusch-Godfrey 検定により確認し、7 章ではWhite 検定、LM 検定、Breusch-Pegan 検定により分散均一の検定を行う.8 章では、前稿と本稿から得られた結果を踏まえて結論とする.

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    為替市場における弱度効率的市場仮説の検証
    概要
    Fama[1970]は、「市場が利用可能な全ての情報を正しく反映するとは、過去及び現在の情報を価格が全
    て正しく反映しているという事であり、将来起こりうる価格の変化は、現在入手する事の出来ない新しい情
    報によって引き起こされる事になる.新しい情報はランダムに発生すると考えられるので、市場が効率的
    であれば、価格変化もランダムにならなければならない.」と述べている.これは、言い換えれば、利用可
    能な情報を全て用いたとしても、将来の変動予測をすることが不可能であるというもので、変動はランダム
    ウォークであると言える.この効率的市場仮説の1つである弱度効率的市場仮説とは、過去の変動から将来
    の変動予測をする事が不可能であると定義される.本稿の目的はその成立を検証する事である.
    1
    1 はじめに
    Fama[1970]は、「市場が利用可能な全ての情報を正しく反映するとは、過去及び現在の情報を価格が全て
    正しく反映しているという事であり、将来起こりうる価格の変化は、現在入手する事の出来ない新しい情報に
    よって引き起こされる事になる.新しい情報はランダ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。