テーマ:青年期のアイデンティティの危機について概説しなさい。
講評:アイデンティティの危機はアイデンティティを確立する為には避けては通れない峠なのです。そこで自らのこれからの方向付けを確信を持って決定し、踏み出すのです。アイデンティティの危機は壮年期、老年期にも出会うでしょう。その都度青年期での体験を思い起こして進めばよいのです。青年期におけるアイデンティティの危機体験はその人のアイデンティティ確立の為には極めて重要なことなのです。
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第 2 課 題
第 1 設 題
「自分とは何者なのか」という問いは、誰もが自らに
問いかける問題である。自分らしさを求めて様々な問題
を解決することも、人間性の発達の中で重要な課題であ
る。この課題に最も多く直面する時期が青年期であり、
それに思い悩む時期でもある。
「私はほかの誰とも違う私自身であり、私は1人しかい
ない」「私はいつまでも私のままである」ということを感
じ る こ と を
E.H.
エ リ ク ソ ン は
ア イ デ ン テ ィ テ ィ
( 自 我 同
一性)ということばで表した。
青 年 期 は 、 進 学 、 就 職 な
どの進路の問題、友達や異性との関係、さらには人生観
や 価
値観の獲得という問題に直面しがちである。常にそ
れらの問題に対して、一つの選択肢を選び、他の選択肢
を捨てるということをしなければならない。この意思決
定のことをエリクソンは、危機と呼んだ。
選 択 を 迫 ら れ
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るという危機的な状況を経験しながら、次第にアイデン
ティティを形成する。アイデンティティを確立すること
が青年期...