社会地理論 レポート
「文化」に関する社会運動の現れ
~大正区小林と福島区野田の事例~
1.「文化」に関する社会運動
10月からの半年間の講義のなかで、あいりん地域の日雇労働者を中心として、大阪におけるマイノリティによる社会運動の事例を見てきた。日雇労働者や部落、在日、沖縄といったマイノリティに対して、長期間にわたり差別や偏見が向けられてきた。現在に至っても、そのような差別・偏見はなくなったとは言えない。
そのような状況のなか、マイノリティは社会的に苦しく、厳しい環境で生活せざるを得なかった。厳しい環境からの脱却を図って、在日は経済的な豊かさの獲得を、日雇労働者は社会保障の獲得を(これは日雇労働者自身ではなく、NPOや行政の行動であるが)、部落や沖縄は権利の獲得を目指した。これらの運動の共通点は、自分達がどのようにすれば社会の中で生き抜くことができるのかを考えたものであって、運動の流れは「マイノリティ→マジョリティ」の一方通行である。マイノリティ側の視点とすれば、マジョリティは敵対するものと捉えていたと思う。無論、マジョリテ...