数年前から「消費の二極化」という言葉をよく耳にする。 不況から脱しきれず、リストラや賃金の切り下げが行われる中、消費者としては無駄なものには金を出したくない。日常品は可能な限り安いもので済ますので、100円ショップやディスカウントストアなどがいたる所で増えた。反対に、高級ブランド品の売り上げも好調である。そのブランドを持っているという満足感、幸福感など、何らかの付加価値を持った商品・サービスは、高価格でも売れる。
100円ショップやディスカウントストアには、「低価格」というコンセプトがある。一方、高級ブランド店には、「高品質・高付加価値」といったコンセプトがある。こうしたなか、既存の百貨店やスーパーは苦戦している。西武百貨店は各地の不採算店の閉鎖を急いでいる。スーパー業界ではダイエーが経営再建中だが、本業の小売業の業績は芳しくない。
このような企業にはコンセプトがないように感じられる。「消費の二極化」の流れのなかで、こうした中途半端な店に、客足は向かないであろう。何らかのコンセプトが必要であると思う。
よって、このレポートでは、そうしたコンセプトをもった商業施設を取り上...