中間発表では、中国都市部の空巣老人のソーシャルサポートについて、
1.研究の背景及び研究目的、2.先行研究、3.論文構成、4.調査目的、5.調査の概要、6.今後の方向性 を発表します。
中間発表
1.研究の背景及び研究目的
1)中国の高齢化と増加する「空巣老人」
中国は人口大国であるだけでなく、高齢者大国である。2000年の高齢者人口(60歳以上)は全世界で5億9千万人、中国は1億3千万人で22%と世界の高齢者の1/5を占めている。中国では60歳以上の高齢者をもって老人としている。その高齢者が総人口に占める割合が10%を占めている。世界の高齢化の指標とされている65歳以上では、7%となり、高齢化社会に入ったところである。このまま高齢化率14%の高齢社会へは19年から20年と予想され、日本の24年を上回る速さといわれている。ほぼ現時点でも日本の総人口に近い数の高齢者が存在する。中国の高齢者化が世界にも注目されている。その中、とりわけ、中国の「空巣家庭」が近年来増加している一方である。
「空巣家庭」とは、老夫婦或いは一人暮らしの老人だけの家庭(子供が自立し、親と別居している)である。中国高齢者委員会の資料(2002年)によると、中国
では、都市部の「空巣家庭」は65歳以上の高齢者家庭の約26.4%を占めている。それは高齢化社会が進むにつれて増加しつつある。2002年、都市...