2012年度の課題です。
略題:学習と知識のあり方
有意味化と理解
私たちの持つ知識は、次のように分類することができる。①複数の対象に対して使える一般性を持った法則的知識、②それを特定の事柄に適用するための接続用知識、そして、③ある特定の事柄に関する個別的知識の3つである。以下、具体例を挙げてみる。
たとえば、「アメリカ合衆国の南部の州には、アフリカ系の人種が多い」という情報があったとしよう。この個別的知識だけを単純に暗記するのではなく、有意味化することによって理解を深める必要がある。アメリカ南部にアフリカ系の人々が多い理由は何だろうか。これを説明するために、以下のような知識を頭の中から取り出してみた。
「温暖な気候による農業の発達」
→「労働力不足」
→「アフリカからの奴隷連行]
これら3つの接続用知識を用いることにより、前述の個別的知識に意味づけをすることができる。そして、これらの接続用知識は、「(北半球においては)北部より南部のほうが暖かい」「温暖な気候では多くの作物が育ちやすい」「欧米諸国に比べてアフリカは文明が未発達」といった法則的知識を元にしているのである。
では、「有意味化」と...