山田洋次とその作品

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    憲法

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    夜間中学を舞台に山田洋次の学校シリーズは始まる。何らかの事情で義務教育を受けられず、その事で様々な差別を受けてきた人達が通う夜間中学にスポットを当てた。そこには熱い教師がいた。ひたむきな生徒達がいた。
    憲法で保障された教育を受ける権利を行使できなかった人たちが存在するから文部省も正式に認めるわけには行かないが黙認しているという方法でこの学校は存在している。
    山田洋次はこの黙認というやり方が大変人間的でいいと言う。確かに行政機関では珍しいことだ。考えてみれば憲法で禁止されているはずの軍隊を保有していることもこの国は黙認しているのだから、それに比べれば夜間中学の黙認は何と温かく優しいことか。
    映画の冒頭に西田敏行扮する黒井先生ことクロちゃんと校長の会話がある。10年以上同じ夜間中学に勤続しているクロちゃんに校長は「これ以上例外を認める訳には行かない。他の学校に移ってくれ。」と言う。しかしそれに対しクロちゃんは「夜間中学そのものが例外として認められた学校だ。だとしたら夜間中学で働く変わり者の私くらい例外を認めてもいいんじゃないか。色々な例外を認められてこそ学校が教育的・人間的場になる」と反論...

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