A判定/平成11年7月2日の文部省「学習障害児に対する指導について(報告)」と文末に記載した文献等を参考にLDの定義をまとめ、LDのある子どもの抱える困難について、①主に学校での学習面での困難、②学校生活も含めた生活面での困難についての細かな項目を設定し、考察をまとめました。苦手な部分への支援ではなく、得意なことを活かす支援についての具体例を付け足すと、さらに良いとの評価を頂きました。
LDの子どもの抱える困難さ―学校生活と日常生活、その場に応じた適切な支援とは―
日本における特別支援教育の対応は、ここ近年、国、地方自治体、教育委員会、学校などそれぞれのレベルにおいて急ピッチで進められている。それは、学習障害(以下、LDとする)をはじめとする特別支援教育の目指すものが現在の日本の教育の重要課題である「確かな学力の向上」や「豊かな心の育成」に資するという期待があるのだとも言える。またここ最近、医療的な介入や福祉的な支援策なども矢継ぎ早に打ち出されており、それだけ身近でかつLDに該当する子どもの存在が明らかになりつつある。
私自身、友人の子どもがLDとADHDを抱えており、頻繁に接する機会があるのだが、困難に出会い奮闘し、それを克服した時のその子の成長の輝かしさは、特別支援教育を必要としない子どもに引けをとらないし、その成長の輝かしさこそ、すべての人にとって大切なものと感じる。私がその子と関わっているのが教育機関でないからかもしれないが、私はLDと名のつく障害を抱える子どもにとって必要なことは、その子にとって特別なことではなく場面に応じた「適切」な支援や配慮なのであって、...