心理学理論と心理的支援  バーンアウトとその対応について述べなさい。

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    資料紹介

    社会福祉士養成所のレポートでA判定をいただきました。

    資料の原本内容

    バーンアウトとは、医療や福祉、教育等のヒューマンサービスの現場で生じやすい燃え尽き症候群のことである。元気で働いている人ほど、バーンアウトに陥りやすく、これまでの意欲満々の様子と、その後の落ち込みの落差が非常に激しいという特徴がある。

    バーンアウトの特徴として、極度の消耗感または疲労感がみられる。単に身体的疲労に留まらず、もう何もする気がなくなったという意味で情緒的な消耗感である。過大な情緒的資源を要求されるヒューマンサービスの現場では、サービスをやり取りする関係の中でクライエントの気持ちを思いやり、振る舞いを受け入れ、私的な問題にまで分け入って解決を求められる事が少なくない。他人の立場を思いやり、誰かと信頼関係を築くには多大な情緒的エネルギーが必要とされる。この職務特性がバーンアウトへのリスクを高めていると考えられる。自らの役割に誠実な人ほど、日々接するクライエントと感情のやり取りをしていく中で疲弊し、消耗していく。

    情緒的資源の枯渇は更なる症状への引き金となる。上記のような消耗感から自分の身を守るために人との接触を制限し、場合によっては突き放すような態度をとったりする。個人を個人としてとらえず、人を物のように扱ったりする、脱人格化といった行動傾向が現れる。一方で人とのやり取りの煩わしさから逃れるために事務処理に集中する事も特徴の一つである。

    情緒的消耗感、脱人格化といった症状はヒューマンサービス従事者が提供するサービスの質そのものに影響を与える。バーンアウトに至る人はそれまで高いレベルのサービスを提供し続けてきただけに、前後の落差は大きく、誰の目にも、とりわけ本人にとって、質の低下は明白である。成果の急激な落ち込みと、それに伴う達成感の低下は、離職や強い自己否定等の行動と結びつくこともある。

    バーンアウトはヒューマンサービスの場に特徴的なストレッサーに対するストレス反応の一種ととらえる事ができ、発症のリスク要因は個人要因と環境要因に大別される。

    「ひたむきさ」や「他人と深く関ろうとする姿勢」といったヒューマンサービス提供者にとって重要な資質が、バーンアウト発症の原因ともなっている。また、人が相手だけに成果は見えにくく、達成感はなかなか得にくい場合もある。

    個人としてのバーンアウトの予防はセルフケアが重要であり、意図して、自身を客観的に見つめる時間と余裕を持ち、仕事と私生活のバランスを保ち、ストレスの発散に努めることが大事である。

    しかし、個人の対処能力には限度があり、また本人に高ストレス状態の自覚がない場合も多い。そこで職場環境でのラインケア(同僚からのケア)や、勤務時間や作業量といった量的な意味での過重負担だけでなく、作業の質的な負担の軽減のため、サービスを提供する相手の適正数の考慮や、役割を明確にし、特定の個人に仕事が集中するのを防ぐ事でストレスの軽減ができる。
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