『沖縄イメージを旅する』をよんで
<概要>
『沖縄イメージを旅する』において、強調されている概念はイメージの相互作用であるように思える。本レポートでは、このイメージの相互作用に焦点をあて、旅行において相互作用を補強している要因を考察する。また、それとともに沖縄とツーリスト間のイメージの相互作用の一般化を通じて、日常生活への示唆を提示する。
<イメージの相互作用とは>
通常イメージとは、『見たり聞いたりしたものが心に残る感じ』(三省堂:国語辞典)とされる。この意味において、イメージは「見たり聞いたり」する人の心にのみ関係するのであって、決してそのイメージが「見たり聞いたり」した対象へと影響を及ぼすことは想定されていない。しかしながら、『沖縄イメージを旅する』において主張されているのは、沖縄を訪れるツーリストが沖縄に対してイメージを抱くことによって、地元住民がかえって強くそのイメージを意識していき、そのような「沖縄のイメージ」なるものを強く意識した地元住民と触れ合う結果、さらに沖縄を訪れるツーリストが沖縄に対するイメージを強化していく、という相互作用があるということである。つまり、イメ...