「新日鐵、自社株取得とエクイティファイナンス同時並行のなぞ」
自社株取得は「不要な現金を積み上げてしまった場合に、株主に現金を配当する方法のひとつ」とされている。一方、エクイティファイナンスは資金調達を行うためのものである。このことを踏まえると、新日鐵が自社株取得とエクイティファイナンスをほぼ同時期に行ったということは、新日鐵が内部資金を減少させ、外部資金を増加させた。つまり、新日鐵が「資金の調達にあたって内部資金よりも借り入れを優先させた」と考えられる。しかし、このことは、ペッキング・オーダー理論に反すると言えるだろう。つまり、「企業の投資は、まず内部留保の再投資を主とする内部資金で調達...