W0334 社会福祉援助技術論4 ○個別援助技術の展開過程と面接技法のポイントについて述べよ。
①インテーク(受理面接)…インテークは、「取り入れる事」あるいは「受理」という意味をもち、実際に援助を提供していく段階の準備作業を行う段階でもある。相手の直面している問題や悩みを明確にする事が目的である。 ②アセスメント(事前評価)…様々な問題の中から個別援助の対象とする問題を選択するために、資料の収集と分析が行われる。 ③プランニング(目標設定・援助計画)…プランニングは、援助の具体的な方法を選択し、アセスメントにおいて収集・分析した情報を基礎に、最適な目標を利用者と共に立案していく過程である。 ④インターベーション(介入)…援助活動の中心をなすものである。また、その捉える視点を3つに分類する事ができる。ⅰ個人自身に重点をおき援助を展開していく。ⅱ当事者の環境に重点をおき援助を展開していく。ⅲ個人と環境の関わりを重視し援助を展開していく。 ⑤モニタリング(分析・評価)…援助内容の評価(モニタリング)は、計画された援助が効果をあげているかについて判断し、新たなアセスメントやプランニングにつなげていく作業である。⑥エバリュエーション(事後評価)…サービス供給が利用者にどのような意味と効果をもたらしたか、それを総合的に判断する段階である。 ⑦終結…上記の段階を経て、問題が解決された事を利用者と援助者の双方が合意し、これ以上の援助は必要ではないと判断したとき、援助は終了する。
面接の技法としては、大きく分けて3つある。
まずは、傾聴である、傾聴は相手の話に監視をもち、相手の話に意識を集中して、自分の週間や価値判断の表明は後回しにして、相手の身になって理解しようとすることである。
次に応答である。応答では、相手の経験したこと、感じていること、望んでいることなどをできるだけ的確にとらえ、それを相手に伝え返して確認することである。
最後に、質問である。質問は、相手の言いたいことをはっきりさせたり、考えを導いたりするものである。
これらが、個別援助技術の展開と面接のポイントである。
○集団援助技術の展開過程における援助者の役割について述べよ。
集団援助技術の援助過程は、大きく分けて、準備期、開始期、作業期、終結期という過程ですすめられる。また全過程において「個人」と「集団」の記録をとること、活動内容の評価を行なっていくことが必要となる。
1.準備期…準備期とは、援助の必要が生じ、援助者が利用者たちに接する以前の準備、及び予備的接触開始までの段階である。 ①職員全体の合意:職員全員に、この援助の意義を明確にしておく必要がある。 ②予備的接触:利用者にグループ活動への参加を促す。その際、援助者はこれから行なわれる援助活動の内容と目的を、利用者(または保護者・家族)が理解できるよう十分な説明を行う。 ③調査:よりよい集団援助と、一人ひとりの実情に応じてメンバーが活用する機会を作るためには、ひとりの実情把握のための調査が必要となる。
2.開始期…開始期とは、利用者たちが集まり、集団を形成し活動し始めるまでの段階である。 ①対人関係樹立・集団形成への援助:援助者は各々の「個人」が「集団」にスムーズに入っていけるように援助行動を始める。それは「個人」同士の対人関係の樹立だけではなく、援助者と「個人」、「集団」との援助関係も樹立していかなくてはならない。援助者は、利用者のあるがままに受け入れ、同時にメンバー同士も受け入れ尊重しあう雰囲気作りが大事になる。 ②目的の明確化と個別化:メンバーがもつ問題や特徴、生活実態などの把握がほぼ終わると目的を明確にする。「個人」と「集団」双方のニーズにあった、効果的な問題解決とその援助を可能にするスタッフの配置や、援助計画の見通しを立てることなどが大切である。 ③活動プログラム立案: 援助者は、援助の目的とメンバーの興味、関心、能力にあった活動プログラムをメンバーとともに考え、検討し、選択しながら立案していく。
3.作業期…作業期とは、「集団」の存在が「個人」一人ひとりにとって必要な存在となり、目標達成への成果が出るような援助を行う段階である。 自己中心思考を他者との強調・協同意識へと変えていくよう援助することが重要である。集団決定をするまでは自己中心的な考え方が続く。
4.終結期 活動の成果を整理し、まとめるための十分な時間が必要である。援助者は早めに集団活動(例会)の終わりが近いことを告げ、メンバー一人ひとりに「終結の準備」をさせる。 また援助者は、この集団援助活動終結後の「個人」一人ひとりのアフターケアについても計画を立てておかなければならない。
○統計調査の特質と実施における手順と技法について述べよ。
・統計調査の特徴 個別の対象を一定の基準により相対化・抽象化・定量化する。 大量の対象に対し、測定できる少数の側面を標準化された技法を用いて、横断的・量的データとして全体から切り取って収集し、統計解析による客観的な分析により、一般化・普遍化を行う。
統計調査の手順は、
①問題の明確化および仮説の設定
②調査対象者、データ収集方法などの調査計画の決定
③質問紙の作成
④プリテストの実施
⑤プリテストの結果を受けての質問紙の修正及び質問紙の最終版作成
⑥調査の実施
⑦データ回収と記入漏れや論理チェックなどのデータ点検
⑧データ入力とデータのクリーニング
⑨単純集計、クロス集計、その他の分析手法を使ってのデータ分析
⑩結果のまとめとディスカッションを通しての考察
⑪報告書の作成
その手法は
①郵送法…調査対象者に調査票を郵送し、記入の上返送してもらう方法である。メリットは比較的簡単で低いコストである。デメリットは、回収率の低さである。
②留置法…対象者に調査票を配布し、一定期間内に調査員が回収する方法である。回収率が郵送法よりも高いのがメリット。デメリットは無回答の多さ。
③面接法…対象者に直接インタビューし、調査員が調査票に記録していく方法。メリットは、非常に高い回収率である。デメリットは、高いコスト。
④集合調査法…対象者を一定の場所に集め、調査票を一斉に記入してもらう方法である。回収率の高さと実施の容易さがメリット。対象者を集合させることの困難さがデメリット。
⑤電話調査法…対象者に電話を使って話しながら、調査員が調査票に記入していく方法。簡単で低いコストがメリット。デメリットは質問意図の伝わりにくさである。
○ケアマネジメントが登場してきた背景とそのケアマネジメントによる支援の目的について述べよ。 ○利用契約制度下における民間社会福祉法人の役割と運営課題について述べよ。 ○地域援助技術の展開過程における援助原則について述べよ。