学校における道徳教育
学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育と道徳の時間における道徳教育
1.学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育と道徳の時間における道徳教育
学校における道徳教育は、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育と、「道徳の時
間」における道徳教育の二重構造をなしている。学校の教育活動全体を通じて行う道徳教
育は、道徳を含む各教科、特別活動、総合的な学習の時間など、各領域を通じて、その過
程から道徳的価値の自覚を深めていくことである。教科指導と道徳教育の関係においては、
かつて行われたような教科指導の道徳教育化であってはならず、各教科特有の目標の達成
を第一とすべきであるとされる。教科指導を通して学校は、文化価値を子どもに伝授し、
文化的能力や科学的認識能力を発達させる。また、学力の向上によって、真面目に勉強に
取り組む姿勢が生活姿勢や生きる態度に結びつくものである。
そして、総合的な時間との関係については、「生きる力」の育成に共通点がある。
体験的な活動や問題解決的な学習が道徳的価値の自覚を図るとして、総合的な時間は「体
験による道徳教育の時間」ともいわれている。
特別活動との関係においては、児童会(生徒会)活動や学校行事を中心として、道徳的
実践の指導の場と...