2011年度哲学概論のA評価レポートです。
テキストだけではレポートが書けなかったので、ネットでいろいろ調べました。
参考文献一覧も載せていますので、そちらもお使いください。
第1設題:第二章「存在の問題」第一節「存在の意味」の内容を要約せよ。そして、テキストの内容に即して、自分のコメント・批判を加えよ。
はじめに
古来、存在の問題は人間の知的興味をとらえてきた。どのような意味において在るものは在り無は存在しないのだろうか。さまざまなものが「在る」といわれるが、それらがすべて真実に「在る」と表現されるに価する「在る」なのだろうか。すべての「在る」は一時的な「在る」であって、それらの原理として真実の永遠な「在る」があるのではないだろうか。しかし、真実の「在る」は物体としてあるのか、あるいは精神としてあるのだろうか。そしてそれらはどのような様態においてあるのだろうか。
何が存在であり、存在とは何であるかは人間にとって本来的な問題である。以下ではこの「存在」の問題について考察する手掛かりとして、アリストテレスによる存在概念がどのようなものであるかを見ていくことにする。
1.アリストテレスの形而上学
アリストテレスにとって存在としての存在の原理・原因を研究する学を第一哲学(存在論、形而上学)とよぶ。「存在」には様々な意味があり、それらは分類することができる。アリス...