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造形活動の始まりとして、一歳から二歳頃の子どもになぐり書きの時期が見られる。紙の上を鉛筆で叩いてみたり、振り回したりしているうちに、点や短い線を表していく。描くという意識はなく、手を動かす事に興味を持ち、最初は上下、左右の手の運動や、円運動を起こして、何かしらわからないものを表現する。そのうち、ひじを軸とした腕の往復運動をしながら、弓形の横線を重ねたり広げて描いたりする。このような絵を錯画または衝動画という。二歳前後になると、何かのイメージをつぶやきながら描き始める。なぐり書きをしながら「うーん」と擬音を発して描いたり、「ブッブー、信号赤」や「電車、ゴー」など独り言を言ったりしながら、なぐり書きをする。これはとても重要なことで、今まで何の意味も持たないで無意識に描いていた線に、意味を持たせようとする象徴機能が生じる時期で、このことは形が表れる次の象徴期へと結びつく大事な橋渡しの役割をしている。
二歳半から四歳頃になると、形が表れ意味づけをするようになる。線が渦巻きになったり、線が結ばれて丸を描いたりして一つの独立した形となり、「これママ」や「これ車」など説明を付け加えるようになる。...