科目最終試験に向けて、「哲学概論」「哲学概論1」の学習の要点に記された6つの課題を、教科書等に沿って、まとめたものです。
模範解答と解答を暗記するためのキーワードを一問一答式の問題にしています。
課題は
・哲学と宗教の関係について、主にピュタゴラスの思想を例に取りながら考える。
・ソクラテスの「無知」について、ソフィストと比較しながら考える。
・デカルトとロックの思想を、主に本有観念をめぐる考え方の相違を明らかにしながら考える。
・バークレィは「三角形の一般的観念」という考えをどのように批判するか。ロックと比較しながら考える。
・「すべての物体は重い」と「5プラス7は12である」をカントはどのように区別するか。「先天的総合判断」を中心に考える。
・プラトンの洞窟の譬えについて、彼のイデア論を中心に考える。
です。
学習をする際の参考にしてください。
R0512 「哲学概論」科目最終試験対策
1)哲学と宗教の関係について、主にピュタゴラスの思想を例に取りながら考える。
古代ギリシャの精神には、自然についての思索と人間(の魂)についての思索という二つの流れがある。前者の中心は小アジアであり、その思想家は「イノニアの自然学者」と呼ばれる。一方、イタリアにおけるギリシャ人植民地には、人間の魂を主題とする思想があり、その中心はやはりイオニア文化圏で生まれたピュタゴラスである。但し、イオニアでの自然の探究とイタリアでの魂の探究とに分けるのは、あまりにも図式的であり、前者においても常に魂の問題も考察され、後者に会っても常に自然の考察があることに留意しておかねばならない。
ピュタゴラス自身の履歴や思索は明確ではないが、彼はクロトンで一種の宗教団体を主宰した。けれど、彼は決して単なる宗教家ではない。彼は世界を数から説明しようとした最初の人であり、周知のように優れた幾何学者であった。また、彼は古代ギリシャ人の世界観であるところの世界を秩序ある全体(コスモス)であることを明言した最初の人でもある。
しかし、彼は今日的な意味での科学者であったわけで...