心理学研究法
第3課題 第1設題
「調査法」「観察法」「検査法」「面接法」の中からひとつを選び、他の研究法と比較しながら、その長所と短所を解説しなさい。
心理学の研究対象には、倫理的な問題を抱えるために実験的研究を用いることができない事象も多い。その場合には、現実の制約の中で調査法、観察法、検査法、面接法などの研究法を用いて、実証的研究がなされる。しかし、これら方法には相補的に一長一短があり、どれひとつとして万能な方法は存在しない。したがって、それぞれの研究課題や問題ごとに適切な方法を選択して、採用していくしかない。ここでは、調査法を取り上げて、他の研究法と比較しながら解説する。
調査法は相関的研究の代表的方法である。因果関係を特定しようとする実験的研究では、結果に影響を与えるような要因を統制して、独立変数を設定し、従属変数が測定される。しかし、この方法では殺人を犯す要因を調べるために、被験者を殺人行為へ導くような操作や、被験者の基本的人権が脅かされるような条件統制は許されない。したがって、測定可能でも統制ができないような場合には、2つの変数間の関係を調べる相関研究が行われることに...