医事法
日本における脳死ドナーが少ない理由
■人の死をどうとらえるか
異種間移植でない限り臓器移植に必要な臓器は「人」から取り出さなくてはならない。生きている人から心臓を取り出せば、殺人罪の構成要件該当性は肯定され、死んだ人からの臓器摘出であれば、構成要件該当性は否定される。そこで重要になるのは人の死の定義であり、死の時期である。人の生命は刑法の重要法益の1つであるが、その命の終焉をめぐって議論は分かれている。
・心臓死説
呼吸終止説、脈拍終止説、総合判断説、生活能力終止説、生活現象終止説(三徴候説)などがある。「心臓」の機能が不可逆的に終止停止または終止する時点を「人の死」とする。いずれにしても心臓が動いている状態では死と認められず「生きている」ことになる。心臓死説をとる限り、「動いてる心臓」の摘出は生きている人からのものになり、その行為は人の命を奪った者となり違法性阻却または責任阻却にならない限り殺人罪(刑法199条)または同意殺人(刑法202条)の構成要件該当性が肯定される。
・脳死説
人の死は脳死から始まり、やがて心臓が停止し身体の細胞が死滅していく。脳死説では、この心臓が停止する前の脳死の段階で人の死を認定しようとするものである。脳死の基準として竹内基準がある?深昏睡 ?瞳孔 ?脳幹反射の消失 ?平坦脳波 ?自発呼吸の喪失 ??〜?の条件が満たされた後6時間後に2度目の判定をする。この?条件を満たしたものを脳死とする。
医事法
日本における脳死ドナーが少ない理由
人の死をどうとらえるか
異種間移植でない限り臓器移植に必要な臓器は「人」から取り出さなくてはならない。生きている人から心臓を取り出せば、殺人罪の構成要件該当性は肯定され、死んだ人からの臓器摘出であれば、構成要件該当性は否定される。そこで重要になるのは人の死の定義であり、死の時期である。人の生命は刑法の重要法益の1つであるが、その命の終焉をめぐって議論は分かれている。
・心臓死説
呼吸終止説、脈拍終止説、総合判断説、生活能力終止説、生活現象終止説(三徴候説)などがある。「心臓」の機能が不可逆的に終止停止または終止する時点を「人の死」とする。いずれにしても心臓が動いている状態では死と認められず「生きている」ことになる。心臓死説をとる限り、「動いてる心臓」の摘出は生きている人からのものになり、その行為は人の命を奪った者となり違法性阻却または責任阻却にならない限り殺人罪(刑法199条)または同意殺人(刑法202条)の構成要件該当性が肯定される。
・脳死説
人の死は脳死から始まり、やがて心臓が停止し身体の細胞が死滅していく。脳死説では、この心臓が停...