日本の文化と歴史
1. 日本における言葉遊びの文化について
言葉遊びになぞなぞがある。なぞなぞは平安時代には謎物語、謎々語と呼ばれていた。「なぜだろう」という問いかける形で始まる物語で、児童教育の方法であったと考えられる。それより以前、万葉集には、中国から伝わった字謎という析字による謎を使った長歌を笠金村が詠んでいる。このような字謎や謎物語に遊戯的な技法が加えられ、言葉遊びとしてのなぞなぞが形成された。なぞなぞの構成技法に連歌の影響をうけている技法がある。連歌は和歌の一種で、二条良基が著した筑波問答には「歌を二人していふを連歌とは申なり。」とあり、二条良基によって連歌の基礎が確立された。連歌は和歌の上句と下句を交互に詠み連ねるもので、連歌には賦物という手法があった。「野中の雪」(柚の木)は賦物の三字中略を逆さに使ったものである。なぞなぞは鎌倉時代を下ってから連歌の影響が出ている。言葉遊びとしては鎌倉時代中期ごろより流行しはじめた宴曲というものがある。今様のような叙情小曲でなく、叙事的な中長編歌謡である。宴曲というのは、ただ歌うだけでなく、その中に知識や情報を入れているものであり、宴...