身体表現ゼミ 上達の法則

閲覧数1,558
ダウンロード数2
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    資料の原本内容

    よりよいパフォーマンスを発揮するために
    <始めに>
    ここにいるみなさんは身体表現のゼミということで、なんらかの技能(ダンス、歌など)を有している人が多いと思う。では、それらの技能を今よりさらに高めるにはどうしたらいいのだろうか?初級者の段階から中級者、そして上級者になるためにはどうしたらよいのかを上級者の特徴とともにそのコツを考察した。
    <初級者から中級者へのステップ>
    初級者の人が中級者になるために
    ★ まずは始めること。最初から「うまくなるにはどうしたらよいか」を考えていても仕方が無い。
    ★ 練習の頻度を決める。一般的に学習や練習の後、忘却が生じるが、それは24時間後、72時間後、そして6~7日後に大きく生じる。以上のことから初心者におすすめの練習頻度は、週に二日以上である。
    ★ 学習の場を決める。目安はその場になりたい自分がいるのかどうか。スクールなど。
    ★ 自分の得意を見つける。例えば音楽でアルペジオが好きなら、アルペジオの練習にこだわってみる。「得意」や「好き」という感情は上達への大きな原動力となる。
    …中級者までは比較的多くの人が辿り着ける。問題は初級者あるいは中級者と上級者ではどこが違うのか、である。
    <上級者は何が違うのか>
    記憶する能力の違い
    将棋の達人は自分の指した将棋を翌日でも再現できる。それはコード化の能力が優れているからである。技能の中には、普通は言語化しにくい要素が多くふくまれている。例えばダンスならステップのときの足の動かし方。手の動き。姿勢。体重移動のバランスなど。ところが、知識が貯蔵されるには、ワーキングメモリ(※)を通過させる必要があるため、知識が言語に準じた形式に、その人の思考の中で表される必要がある。それがコード化である。上級者はそのコード化の能力が高い。
    特異な才能が光る
    上級者は「ながら」ができる/上級者は移調作業ができる/技能のコツを言葉(メタファ)で表現できる/直接役に立たないような知識まで持っている
    ☆ 他者を見る目が変わる
    他者の技能を見るのを楽しむ/他者の個性に敏感で、その模倣もできる
    自分を正確に認識できる
    欠点も含めて自分を認識できる/自己と比較して中級者や初級者からも学ぶことができる
    …ワーキングメモリ(作動記憶) 数秒以内なら知識を蓄えていられる箇所。例えば友人に電話をかけようとしたとき、手帳を見る。電話番号を押しているとき、電話番号はワーキングメモリに入っている。しかし電話を話し始めると忘れてしまう。それは電話で話している内容がワーキングメモリを占有するから。
    上級者は以上のような特徴を持っている。では実際に上級者になるためにはどういったことをしたらよいのか??
    <上達を極めるステップ>
    ♪ 精密練習をする。それが習熟と洞察を生む。
    ♪ 得意な利き手とは逆手で訓練する。
    ♪ 深い模倣をする。模倣をするプロセスの中で自分では見えなかった工夫が見えてくる。
    ♪ 達人の技に直接触れる機会を掴む。如何なることからも上達のヒントを盗むことが重要。
    ♪ 擬似の他のスクールや技能について感心を持つ。習得対象としている技能への洞察と、柔軟な認知が得られる。
    ♪ 評論を読む。著者の追体験ができ、自分の知識に深みが生まれる。
    ♪ 独自の訓練方法を考える。自身の技能を部分的に強化することができる。
    ♪ なにもしない時期を活かす。何もしない時期に心理的飽和が下げられ、感性が新鮮なものになるかも?
    <最後に>
     今回上達するためのコツを幾つか挙げたが、技能の上達のコツには共通性があり、何か一つのことを極めたら、他の技能の上達には必ず役に立つことがわかった。このゼミの中には既に超上級者の域に達している人もいるかもしれないが、更なるパフォーマンスを発揮するヒントに少しでもなれば幸いである。
    <参考文献>
    岡本浩一著『上達の法則』2008.5.19 PHP研究所
    - 1 –
    2008.12.1

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。