『中論』における空性・縁起・中道の特徴

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竜樹の『中論』における空性・縁起・中道の特徴について、初期仏教および西洋哲学(主にプラトンのイデア論)と比較して述べていく。

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『中論』における空性・縁起・中道の特徴
はじめに

 『中論』では、空性を重視する立場から、縁起、中道について述べられている。『中論』において、これらに対する考え方には、どのような特徴がみられるのだろうか。それを、『中論』以前の仏教、また、仏教以外の思想と比較することによって明らかにしたい。

 1章では、初期仏教における空性、縁起、中道とはどのようなものであるかをみていく。

 2章では、『中論』における空性、縁起、中道はどのようなものであるかを、文献を参照して述べる。

 3章では、『中論』の空性と言語の問題について、仏教以外の思想がどのように考えているかを参考にしながら考察してみたい。ここでは主に、プラトンのイデア論を用いて考えていきたい。
1、初期仏教における空性・縁起・中道

 空とは、固定的な本質を欠いているということである。これは、「実体がない」とも言い換えることができる。

 空について、梶山雄一は以下のように述べる。
 ものの実体というものはわれわれが幻覚で見ている髪網のようなもので、本来実体などというものはない。あるのではないけれども、だからといって、ものがないとい...

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