竹 【 「たけのこ」食べながら、ちょと薀蓄を?】
【plasticに代って使われたら、ひょっとして地球保全になるかも?】
分類:
・樹木の中に入るのかな?
⇒⇒⇒⇒⇒単子葉植物類(裸子植物の針葉樹や被子植物の広葉樹とは別)
樹木の定義【形成層による肥大成長がある事。】⇒⇒⇒⇒⇒竹は形成層がない為伸長成長のみ。⇒⇒⇒従って 樹木ではない。
分布:本州・四国・九州(主に関東以南、主産地九州・大分)
歴史:縄文時代中期温暖化になり、その遺跡から竹で編んだ漆器が発見されている。
成長度:ハチク-35cm/日 ・もうそう(孟宗)竹--30cm/日 ・マダケ(真竹)-20cm/日。
【雑感】
竹の成長ぶりは不思議。それは何なのか?----何故に急いで成長せねばならないのか?
こんなに早く成長するものを放っておく手はないと思える。
現代は化石資源に代る強力な再生可能な資源が見つけられる事が嘱望されている。
そうでなければ地球は環境の汚染と利便性の破綻によって、人類の滅亡化に拍車がかかる。
いずれにしろ、何か新エコロジカル資源の登場が望まれる。
化石資源(数億年かかって地球が育てたもの)、その地中から掘り出した物・石油・石炭でプラスチックを作り、鉱石等で鉄やアルミを作っているが、最後はゴミになり地球を汚す。
しかし竹は数年できわめて強靭な素材になる。 この竹、ひょっとして地球を救える素材になるかも?
実際、私たちが現代の生活で使っているプラスチックや金属製品は、かっては竹や漆や木で出来ていたわけで、中でも 竹はその特有の弾力と耐水性で非常に重要であった。
朝起きて歯を磨く歯ブラシは竹、箸も竹、フォークも楊枝も竹。今でも上等なのは、竹製品である。 もう一度 プラスチックから竹に戻って、イージーに使えるようになるといいな!
【タケの成長の話】
成長度:
ハチク(破竹)-----35cm/日 ・もうそう竹(孟宗竹)----30cm/日・マダケ(真竹)-----20cm/日
何故にこんなに伸びる事が出来るのか?-------------七不思議!
最近の我らは 自然とのかかわりあいが少なくなってしまい、タケの事など何も知らない。 その為、“たけのこ”は“竹の子”であって、まさか“たけのこ”が伸びて16~17mの親竹に成る事など考えもしなかった人や、竹は毎年太くなって行くと思っていたり、何年もかかって大きくなっていくと思っている人が実はほとんどではなかろうか?
実は“もうそう竹”が“たけのこ”から成長して、親竹に成るのに、要する日数はわずか60日程であり、“まだけ”では、40日程である。
そして、所定の高さになってしまうと、もう何年経っても伸びも太りもしなくなってしまう。
③ “たけのこ”を漢字で書くと、「筍」となる。
即ち「一旬にして竹になる」と言う意味。
“もうそう竹”の最大伸長量は、約0.8mm/分に成る。-----植物界の中ではトップクラス。
だから 60分(1時間)で68mm=約7cm も伸びる。
伸びる為の必要な栄養源は、全部母竹で蓄積され、地下茎を経由して供給を受けている。
竹には先天的な成長度の速い成長方式が備わっている。⇒⇒⇒それは『節間成長』
⇒⇒⇒その『節間成長』とは?
“たけのこ”の各節間毎に『成長帯』と言う竹稈(たけわら)を形成する細胞を作り出す部分が有る。
その『成長帯』が節ごとにあり、節の数の乗数倍だけ伸長する訳である。それも肥大化成長は殆どストップしているから、尚更増殖伸長する訳である。それは他の植物は先端にのみ成長点があるから、当然伸びるスピードが違うのは当り前。
節間とは、節と節の間をさす。『成長帯』はそれぞれの節間下部の、節のすぐ上の部分を言う。
稈(わら)(樹木でいえば幹に当たる)が中空であると言う事。
⇒⇒即ち、竹稈(たけわら)を細長い三角錐と考えた場合、
根元の直径を16cm、根元の節間の厚みを1cm、高さを15mとした場合、
竹の比重(生材比重)は1.1であるゆえ、竹稈(たけわら)の重量は26kgとなる。
もし竹が中空で無く、詰まっていたとした場合、この26kg重量で高さを計算してみた場合、実は高さはほんの1.3mにしかならない。中空の場合の1/10位の高さにしかならない。
従って 如何に中空は高さを稼げるか?-----如実に物語っている。
【“たけのこ”と人間が似ている話】
“たけのこ”は普通三年生位までの親竹の地下茎に出来る。
最も多く“たけのこ”が出来るのは2、3年目の地下茎で、4年目の地下茎になると、“たけのこ”の出方が大幅に減る。
そして5年目になると殆ど“たけのこ”を作ら無くなる。人の女性の更年期と結び付けて考えると、竹は1年で人間の12~13年に匹敵するものと思える。(12~13×4=48~52)
人間も子供を盛んに産めるのは24~36歳であり、それは竹で言うなら、2~3年生に当たる。
“たけのこ”の発育の仕方が人間の胎児のそれに似ている。-----不思議な感じがする。
“もうそう竹”の場合、8月頃に地下茎の節に「側芽」が出来る。冬の間もこの「側芽」は大きくなり続ける。
そして春になって地上に頭を出す頃には親竹の「ひな形」が出来上がっている。
土の中を人の母親の胎内と例えたなら、
その中で約8ケ月過ごして、それから出てくる事に成る。
この頃の“たけのこ”は、生まれてまもない赤子に何となく似ている。
植物と動物の違いはあれど、成長に必要な物を全て母体から受けると言う点で、同じ。
しかも両者共に母体と 同じ様な「ひな形」が出来るのである。
* 日本の竹の場合、体細胞の染色体数が人のそれと極めて近く、48であり、ゴリラやチンパンジーのそれが48と、全く同じである。
因に人間の場合は46である。(たばこ48、牛60、犬78、鶏78---)
“もうそう竹”の場合、地下茎に小さな「側芽」が出来てから若竹に成るまでを計算すると、地中の8ケ月と地上の2ケ月、足して10ケ月になる。--------なんとなく人間のそれと偶然にも一致する。-------不思議。
-----------等々考えるとあまりにも似ている。------不思議な話。
【『止まり“たけのこ”』の話】
* 竹林の中で途中で伸びの止まってしまった“たけのこ”がかなりの数で有る。
即ち、地上に出てきた“たけのこ”の4割、多い場合は6割もが途中で伸びないものが出てくる。----これが『止まり』の現象。
竹林の中での地下茎は無数。その分だけ節も無数。ましてや“たけのこ”の芽は、無尽蔵に出来る。
* まだけ、“もうそう竹”の1ha(3000坪)当たりの地下茎の長さの合計は、前者で18万m(60m/坪)、後者で12万m(40m/坪)にもなる。
地下茎の節間長さは短かい。(地下茎は傘の柄によく使われている。)
それを約10cm平均として計算すると、節の数は、まだけで180万個(600個/坪)、もうそう竹で120万個(400個/坪)になる。
----そしてその節の部分から「側芽」が出る.
そして、“たけのこ”の一番よく出る2、3年生の地下茎の占める割合を30%位として計算すると、膨大な数の“たけのこ”が「側芽」から出て来る事になる。
------しかし実際には「側芽」の出る節の数も位置も限定されているはずだが、
その係数を便宜上50%とした場合、
--------計算上はまだけで、180万×30%×50%=27万個(90個/坪)の“たけのこ”が出来る事 になる。
--------そんな事は現実には有りえない。
即ち、27万本×26kg/本=7000トン/ha.(2.3t/坪)の物質を母竹の地下茎から、親竹に成る為に供給しなければならない計算になる。
------------------------------そんな事は現実には有りえない。
『止まり“たけのこ”』を竹林全体で作る事により、自動調節、防衛本能が働いているのかもしれない。
その『止まり“たけのこ”』がいつも人間が戴く事が出来る大きさまでで、止まるのも不思議な『はなし』で有る。
【竹林の増加が----その問題】
戦後の竹材需要の減少に加え、20世紀最末期になって以降は中国産の安価な“たけのこ”の輸入が増えて市場価格が下落したため、日本国内の竹林は放任傾向にある。
それによって引き起こされた“もうそう竹”の他植生への侵入、広葉樹の成長が阻害され枯死する事実。
さらに、他の樹種の影響をうけにくい杉でさえも“もうそう竹”の特性(3ヶ月で最大まで成長する。柔軟なので風が吹く度にしなってスギへ当たる)により成長が妨げられ、放置されたスギ林へ“もうそう竹”が侵入し、その群落を拡大している。
放置された竹林は、密になって荒れると同時に、周囲の放置されている里山や休耕田などに広がる。中には山の斜面全体が竹林と化した場所も見られるようになって、環境保全上の問題となっている。
竹林内は落葉がたまることや、やや薄暗いことから、植物相は多様度が低く単調となり貧しくなる。
また、倒れた稈や切り株などの節間の空隙には雨水がたまりやすく、ヤブカ類の好適な発生源となるため、管理放棄された竹林に接近、侵入すると、多大な蚊の被害を受けることになる。
京銘竹
京都の竹材の歴史は古い。すでに平安時代の頃、中国から伝来した竹が育てられたといわれている。自然に恵まれ、技に磨かれ、京都は世界の銘竹の発信基地。
人工で作られた竹は、床柱、洛掛、棹縁、腰板や花筒など、和室を演出する材料として広く...