2単位目 日本語における外来語の功罪について論じなさい。
日本人は、横文字で表現する外来語をむやみに使います。最近は特にこの傾向が強く、日本人というのはやたらに外来語を使いたがる人種であるという定評があるようだ。
明治以降の日本人は、生活の中に外国語を積極的に取り入れてきた。それからの影響もあり、現在の日本には外国語が氾濫している。使わなくてもいいところにまで使っているのが実情である。
外来語の音系について述べていきたい。日本に古くからある和語や、古い時代に中国語から借用した漢語では促音の次は無声音であるという規則性が見つかる。英単語も、日本語に取り入れられる際にこの規則の制約を受けて、言語の有声音が無声音に置き換えられたものである、と解釈される。表面的には外国語によって日本語が変質しつつあるように見えても、核となる中心部分はそう簡単に変わるものではない。有声唇歯摩擦音である言語の[v]を意識して、「ヴァイオリン・ヴィーナス」のような表記が容認されるようになったが、口頭での発音が[v]に実現されることはまずない。結局、日本語の側で、受け入れる音と受け入れない音とを選別しているのだ。...