教育課程とは何かについて、その基準と編成原理、今日的課題についてまとめてください
わが国は、これまで大きく3回の教育改革を行ってきた。1回目の教育改革は、明治の学制発布に伴う教育改革である。国民に教育を受ける機会を保障することが大きな柱であった。2回目の改革は、戦後の義務教育及び民主教育の発足に伴う改革である。これにより、子供達の進学率が大幅に上昇し、教育が大衆化された「大衆教育社会」が到来し、同時にいわゆる受験競争が過熱することとなったのである。そして3度目である今回の教育改革が、中央教育審議会や臨時教育審議会を中心として提唱された現行の教育改革である。学歴のインフレ化に伴って、学校の中で起こったいじめ、不登校、学級崩壊などいわゆる教育の荒廃の原因が、受験競争によって過熱化した学歴社会であると、学歴社会そのものを「悪の枢軸」としてつるし上げ、新しい学力観に基づく「ゆとり教育」への転換が始まったのである。このように、教育課程は時代に合わせて、その姿形を変えてきた。この教育課程を編成するときの国家的教育基準になるのが学習指導要領であるため、学習指導要領の変遷と教育内容の変化を述べる。昭...