教育心理学(2単位)第2設題
ブルーナーらの現代的レディネス観が教育に与えた影響について述べよ。
1960年代に登場してきた現代的レディネス観とは、発達に先回りする教育であり、アメリカの教育心理学者ブルーナーによって提唱された。これは、「発達を導く教育」を行おうとする考え方で、従来のレディネス観を否定するものであり、当時の教育界に大きな衝撃を与えることになった。
レディネスとは、「ある行動の習得に、必要な条件が用意されている状態」のことで、この学習準備のことをいう。
レディネスに関する古典的研究者のゲゼルとトンプソンが考えていたレディネス観では、成熟が一定の段階に達するまで学習や訓練を待つべきだとする考え方で、彼らの双生児研究がそれを支持するものとなっている。
しかし、この成熟優位の発達観に対して、成熟待ちの消極的初期教育観につながるといった批判がみられるようになった。それは、成熟と学習は互いに作用し合い、成熟によって一方的にレディネスがつくれるわけではないという主張である。ブルーナーは、子どもの既成の認識の構造を理解し、これに合う教材や教授法を用意して教育することで、原則的に...