「相談援助における人と環境との交互作用の視点について述べよ。」
1.人と環境の交互作用
ソーシャルワークは、すべての生命存在は、必ず何らかの環境に取り囲まれており、その環境と交互作用しながら生存を維持して生活していることから、人と環境の交互作用を焦点として援助理論を確立している。しかし、これまでのソーシャルワークでは、環境を単に資源の存在としてとらえ、人と環境を統一的にとらえることに十分成功してこなかった。人と環境を分割せずに、相互に影響を与え合う「全体としてとらえる見方」が重要である。
クライエントと環境なり資源との交互関係での問題点をとらえ、その関係を調整することがソーシャルワークの中心であることは、これまで多くのソーシャルワーク研究者によって主張されてきた。以下にソーシャルワークをクライエントと環境や資源との関係のなかにおくとする考え方を記述する。
ケースワークを初めて理論化したリッチモンド(M.E.Richmond)は「人と環境との関係の問題」としてケースワークの対象をとらえた。また、バートレット(H.M.Bart-lett)は「ソーシャルワークが関心を向け責任をとるのは、...