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1 はじめに
学校教育の拡大、例えば高等教育機関への進学者の増大などは、第2次世界大戦後に加速的に顕著化してきたが、本リポートではどのような要因のもと、またどのようなメカニズムのもとで拡大してきたのか考察していく。
すなわち、社会階層と教育(特に学歴)の関わりについての社会学諸理論として、機能主義理論とネオ・マルクス主義理論(対応理論)、ネオ・ウェーバー学派理論(地位競争理論)の3つの見地から考察していきたい。
2 機能主義理論
機能主義理論は、18世紀に始まった急激な産業化と都市化の流行が伝統的な社会化の様式、いわゆる世襲社会を破壊し、それに代わる社会科の機関として学校教育が出現してきたとしている。
当時の産業社会は大部分の子どもが地域社会の中で就業に要する知識や技能、生活手法を学ぶことで十分な社会形成ができており、これに伴い社会変動の停滞、あるいは就業活動に必要な技能があまり進化せず、家庭や地域社会が教育の場であった。18世紀以降の産業化や都市化によりこのような世襲社会を侵食され、さらに時代背景とともに進展したため、従来の職業に代表される第一次産業の衰退、第二次産業への移行...