佛教大学、S0103、教育史第1設題

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    設 題「寺子屋について述べよ。」
     江戸時代には義務教育制度はないが、現代で考えられている以上に寺子屋などで教育を受けていて読み書き算盤はできていた。
    寺子屋の起源は、中世の寺院での教育に遡ると言われる。その後、江戸時代に入り、商工業の発展や社会に浸透していた文書主義などにより、実務教育の需要が一層高まり、先ず江戸や京都などの都市部に寺子屋が普及して行った。
    寛政年間(1690年代)頃から農村や漁村へ広がりを見せ始め、江戸時代中期(18世紀)以降に益々増加し、幕府御用銅山経営、西江邸内には江戸中期創建の手習い場が現存している。特に江戸時代後期の天保年間(1830年代)前後に著しく増加した。
    明治十六年に文部省が実施した、教育史の全国調査を編集した『日本教育史資料』(明治23~25年刊 二十三巻)による開業数の統計では、寺子屋は19世紀に入る頃からさらに増加し、幕末の安政から慶應にかけての14年間には年間300を越える寺子屋が開業している。同資料によると全国に16560軒の寺子屋があったといい、江戸だけでも大寺子屋が4~500軒、小規模なものも含めれば1000から1300軒ぐらい存在して...

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