青年期とは、一般的には子どもから大人への移行期とされている。日本においての小学校高学年から中学時代に、子どもの身体から大人の身体に変化する“第二次性徴”によって始まるとされているが、その線引きを行うことは性差や個人差などから非常に難しい。19世紀ごろまでの子どもは親の手伝いをしながら成長し、第二次性徴を迎えるということは一人前の大人の仲間入りをするということと同じ意味であった。しかし、時代が移り変わるとともに、一人前の働き手となる為にさらなる学習、準備期間が必要となり、そのために新たに中等、高等教育機関が整備された。子どもではない、だからと言って大人というわけでもない、青年期という発達段階が一般化するようになったのである。
発達課題とは、時期や段階で習得することが必要とされる課題である。発達心理学者であるエリクソンは、青年期における発達課題とは“アイデンティティの確立”だと述べ、自己アイデンティティ(自我同一性)の確立と自己アイデンティティの拡散、社会的な関係性や役割意識を通して、社会内部での自己の存在意義や目的を確認していくと定義した。
人間の発達を身体的・精神的・社会的・歴史...