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社会的養護の必要な児童の増加が深刻化している現状にあって施設の積極的な役割が見直されようとしている。そこでまず、施設否定論の根拠を挙げ、そこからどのような経過を経て、施設の積極的役割が見直されるようになったかを簡潔にまとめなさい。
1、はじめに
児童養護施設などの入所型(生活型)の児童福祉施設は、様々な事情の下、養護や保護を必要とする子ども達を児童相談所の相談援助活動を通して、入所に導く。子どもたちは、保護者から離れ、集団で暮らすことになる。このような生活形態が、子どもの人権上適切なのか、子どもの人格形成や発達上適切であるか、家族関係を形成し家族との絆を維持する上で適切なのか、社会的自立の上で適切なのかという議論がある。これは、古くて新しい施設擁護上の基本問題である。
施設否定論について、出てきた年代やそのきっかけになった事柄や論拠を述べていく。そして、否定論のどの部分を見直すことで、積極論になるのかを、論拠とともに述べていきたい。
2、施設否定論と消極論
(1)ホスピタリズム論と母子関係論
①ホスピタリズムと母性剝奪
ホスピタリズムとは、施設症と訳されることが多...