【設題】ロマン主義とは何か、またその担い手たちはどういう意味でロマン主義的なのかをそれぞれ述べよ。
あくまで参考資料としてご利用ください。
5~6ページ目は参考文献と脚註に利用しています。
なお、評価所見(A)の内容は、「第一世代と第二世代には共通した特徴と共に、相反する点もあります。その点についても考えてみて下さい。」でした。
ロマン主義とは何か、またその担い手たちはどういう意味でロマン主義的なのかをそれぞれ述べよ。
ロマン主義とは18世紀後半から19世紀前半にかけて、ヨーロッパの各地域において見られた、芸術や文学上の精神運動のことである。18世紀のヨーロッパでは啓蒙思想や合理主義が一世を風靡していた。この思想では、理性や合理性に至上の価値が置かれる。しかし、人間の存在や世界とは、理性のみによって理解されうるものではない。感情や信仰、あるいは生命の躍動のような、理屈では説明のつかないような部分を含んでいるものである。従ってロマン主義とは、理性至上の考え方に対する反動と反発から出発しており、そこでは直感、想像力、感性が重んじられる。ひらめきや天性を重視するこうした立場から、ロマン主義では自然にも創作の目が向けられる。すなわち自然とは、社会(個人を規制し、抑制するシステム)から解放された存在として認識されるのである。
自然を創作の対象として重んじるとはいえ、ロマン主義者たちが現実の社会から遊離していたわけではない。18世紀後半の歴史的事件、すなわちフランス革命やアメリカの独立に見られる社会秩序の破壊と再建の問題...