精神障害者の概況
2002(平成14)年の厚生労働省患者調査によると,わが国の精神障害者数(ICD-10の「V精神及び行動の障害」から精神遅滞を除いた数に,てんかんとアルツハイマーの数を加えた患者数)は,外来患者が223万,000人,入院患者34万5,000人,合わせて258万4,000人である。傷病分類別では,統合失調症は通院が53万800人,入院患者20万2,012人,合わせて73万2,812人となっている(なお,2003〔平成15〕年の入院患者数は厚生労働省精神保健福祉課調べで32万9,095人である)。
2003年6月30日現在の精神科病床数は35万3,437床で,全病床数の約21.7%を占め,人口10,000人あたりの精神科病床数は27.9床と世界最多である。これは,精神科病院に長期間入院している患者が多いことを反映している。
大島巌らは,精神障害者のうち,とくに「福祉に欠ける状態」にあって,援助の必要性が大きな精神障害者は次の2グループに分けて考えることができるとしている。
第1群は,2割~6割が地域に適切な受け皿があれば退院できると判断されるにもかかわらず,そして患者...