経済の自由は現代において、誰しもが持ちえる当たり前の権利として考えられるが、それが無制限で何らの制約も受けないかといえば、その限りではない。経済の自由は人間らしい権利の一つではあるが、それがあまりに横行すると、かえって人間らしさを欠いてしまう現象が起こる。例としてはフランス革命期の第一共和政時代初期が挙げられる。この時期、政府は財政難のために紙幣の増刷を行い、結果的にインフレが起こった。すると農家が小麦の販売を渋るようになり、小麦不足が深刻化した。
経済の自由が人々の意識に定着し始めたのは、市民革命の代表、フランス革命からである。日本においてそれが明確に顕在化したのは自由権が確立してからである。「経済の自由」は自由権の一つに該当する。それまでは世襲制だった職業が、各々の思うままに職業選択ができるようになり、居住・移住の制限がなくなり、財産権が認められるようになった。これが「経済の自由」というものである。これが現れるまでは「法律の留保」という、上記のいずれもが法の許容する範囲内でしか認められない状態であった。
経済の自由は現代において、誰しもが持ちえる当たり前の権利として考えられるが、それが無制限で何らの制約も受けないかといえば、その限りで...