「憲法の定める自由権(とくに精神的自由)について述べよ。」
日本国憲法の基本原理は、国民主権、平和主義、基本的人権の保障の3つである。憲法が保障している基本的人権の内、「人が生まれながらにしてもっている自由な個人としての権利」が自由権である。人間の権利・自由に対する、国家権力の不干渉・不作為を求める事のできる基本権が自由権であり、権利・自由を理念的・抽象的に尊重している。
自由権を大別すると、精神的自由、人身の自由、経済的自由の三つがある。まず、精神的自由には、思想・良心の自由、信教の自由、表現の自由、学問の自由が分類される。次に、人身の自由には、人身の自由、児童の保護、刑事手続きにおける人身の自由が分類される。そして、経済的自由には、職業選択の自由、財産権の不可侵が分類される。以下、それぞれの精神的自由の具体的な内容について述べていく。
まず、第一に思想・良心の自由の内容について述べていく。思想・良心の自由は、憲法第19条にて「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」とされている。これは個人の内面的精神の自由を保障したものであり、したがってその自由は無制限に認められなけ...