「「保育」とは何かについて論ぜよ」
「保育」のその内容は、家庭における乳幼児の子育てと、保育所や幼稚園などで行なわれている、集団施設保育の両方を含むものとしてとらえられている。ここでは、保育所・幼稚園などで行われている集団施設保育について考えていく。
現代の社会では、少子化が進んでいながらも、保育所への入所希望者が増えてきている。その背景には、女性の社会進出が進んだため、共働きの家庭が年々増加傾向にあるということなどが挙げられる。また、核家族化の進行といった理由から、育児不安などに陥る母親も多い。そのため、ますますもって「保育」の必要性が高まってきている。現代の保育士を目指していく者として、「保育」とは何であるのか、その専門性とは何なのかなどについて正しい認識を持ち、またそれを踏まえて実践していくのは、たいへん重要なことだと言える。保育についてのとらえ方・考え方を理解したその上で、「保育」とは何なのか、また現代社会において保育者に求められていることは何なのかについて、以下、考察する。
まず、保育についてのとらえ方・考え方について、今までの歴史的変遷を述べる。明治中期の頃、子ども一人ひ...