医療保険制度とは疾病に備えて、危険負担を集団で社会的に行う仕組みであり、個人では補い切れない負担を集団で平均化しようとするシステムをいう。わが国の医療保険制度は時代に応じて幾度も改定されてきた。昭和36年以降には国民全てが何らかの医療保険制度に強制加入する「国民皆保険」のシステムを取り入れ、経済の成長に伴い制度にも成長と安定がみられた。
しかし、平成4年以降の経済成長率の低下、少子高齢化、医療技術の向上という時代背景により国民医療費と医療保険制度の財源に不均衡が生じるという課題に直面することになる。中でも最も大きな要因として少子高齢化が挙げられる。人口のおよそ45%を占める高齢者は、現役世代...