ソーシャル・インクルージョンとは、「社会的包括」と訳され、全ての人々を孤独や孤立、排除、摩擦から擁護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員としてコミュニティの中で包み支えあうという理念である。EU加盟国では、近年の社会福祉の再編にあたって社会排除に対処する戦略として中心的政策課題のひとつとされている。また、ソーシャル・インクルージョンは、近年の日本の福祉や労働施策及び福祉教育の改革とその連携にも関わりの深いテーマである。平成12年に厚生労働省で纏められた「社会的な擁護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会報告書」には、社会的弱者を社会の一員として支えあうソーシャル...