精神保健福祉援助技術各論①
(1)精神障がい者の家族支援をするときの基本原則や視点について述べなさい。
多くの精神障がい者は家族と同居しており、家族が有形無形の支援を行って初めて精神障がい者の地域での生活が維持されていることが多い。精神障がい者が安定した地域生活を送るために家族が非常に大きな役割を果たしているにもかかわらず、一連の改革に向けた動きの中で、精神障がい者家族に対しては家族が望むような支援が行われるには至っていない。こうした現状の背景には、精神保健福祉法に規定される保護者の制度があり、その最大の理由は、精神障がい者の人権擁護を担保するために保護者が必要とされているためである。しかし、それを理由として精神障がい者の家族の過度な負担をこのままの形で放置すれば、今後精神障がい者の人たちへ大きな影響を与えることになる。
家族の多くが、自身の健康問題を抱えながら高齢化の問題や経済的負担などに不安を持ち、近隣とのトラブルや肩身の狭い思いをしたり、社会的孤立を感じたりしている。家族は、障害をもつ人との間で様々なことに悩み、対応に苦慮し、日常的にストレスを受けている。家族自身に対して何...