窃盗罪か占有離脱物横領罪かという問題は、被害者の占有の有無、すなわち、被害者が占有を失ったかどうかの問題に帰着する。
その判断として、判例・学説は「距離・時間」という基準を立て、これらが短いといえれば、被害者の事実的支配力はなお及んでいる(窃盗罪となる)と解している。
もっとも、「距離・時間」をどの時点から考えるべきか(起算点)について、見解が分かれている。つまり、?犯人が財物を領得した時点(客観重視)なのか、?被害者が財物のないことに気づいた時点(主観重視)なのかという問題である。
<刑法各論レポート:-窃盗罪か占有離脱物横領罪か->
窃盗罪か占有離脱物横領罪かという問題は、被害者の占有の有無、すなわち、被害者が
占有を失ったかどうかの問題に帰着する。
その判断として、判例・学説は「距離・時間」という基準を立て、これらが短いといえ
れば、被害者の事実的支配力はなお及んでいる(窃盗罪となる)と解している。
もっとも、「距離・時間」をどの時点から考えるべきか(起算点)について、見解が分か
れている。つまり、①犯人が財物を領得した時点(客観重視)なのか、②被害者が財物の
ないことに気づいた時点(主観重視)なのかという問題である。
実際にこのことが問題となった近時の判例と...