課題1 ①(1)
「高齢者の社会的・身体的・心理的特性について説明しなさい。」
社会的特性について、高齢になると、個人差はあるものの身体機能の低下や社会的地位・役割の喪失や変化が起こる。こうした喪失体験は、複合喪失とよばれ、定年退職によって経済力が低下するとともに社会的地位や役割が奪われ、自尊心や生きがいを失う、また配偶者や同世代の兄弟や友人が亡くなるといったように連鎖的に生起することが多い。
一方、高齢期に新たに生じる役割や機会もある。また知恵や判断力といった高齢になっても発達し続ける能力もある。したがって高齢期は喪失するだけの時期ではなく、獲得と喪失がダイナミックに交錯する時期である。
身体的特性については、加齢に伴う細胞分裂や細胞増殖能力の低下は各臓器における細胞数の減少をもたらすことが知られている。加齢に伴いどの身体機能もほぼ直線的に低下しているが、その低下の割合は臓器や機能により異なり、75歳で約90%維持される機能から40%程度まで低下する機能まで幅広い。
外見の加齢変化について、もっともわかりやすい指標の一つに体重の変化がある。その主な理由は筋肉、水分や骨量の減少...