現在、我が国では急速に社会の少子高齢化が進んでいる。高齢化については医学の進歩や生活様式の変化などにより説明がつくが、少子化については個人の選択的要因などもあり、極めて社会的な問題となっている。2005年には合計特殊出生率1.26という過去最低の数値が記録された。2008年には1.37まで持ち直したが、それでも人口維持に必要とされる水準の2.08には届いていない。この少子化問題と、それに関する福祉施策について以下に述べる。
少子化の要因は、大きく3つに分けてとらえられる。まず挙げられるのは「晩婚化」である。女性が高学歴化し、継続的で安定した職業を求めるようになってきた。職業的な安定は経済的にも余裕をもたらすこととなり、女性の社会的地位も向上する。結果、婚姻時期が遅くなってきているのだ。また「非婚化」も問題となっている。これは晩婚化の延長線上にあるもので、結婚生活や子育てに追われることなく、「ひとりの女性」として自立を目指そうとするものである。このような傾向は男性にも見られ、婚姻関係を結ばなければ、当然ながらこどもも増えないということになる。
【設題】こどもを取り巻く社会の変化は、こどもの育ちや子育てに大きな影響を与えています。一方で、少子高齢化の急速な進行が、社会や経済や地域の基盤を揺るがしかねない事態となって危惧されていることを学びました。これから児童福祉の現場に従事するものとして、子育て支援などにどのような示唆を受け、考えていかなければならないか述べなさい。
現在、我が国では急速に社会の少子高齢化が進んでいる。高齢化については医学の進歩や生活様式の変化などにより説明がつくが、少子化については個人の選択的要因などもあり、極めて社会的な問題となっている。2005年には合計特殊出生率1.26という過去最低の数値が記録された。2008年には1.37まで持ち直したが、それでも人口維持に必要とされる水準の2.08には届いていない。この少子化問題と、それに関する福祉施策について以下に述べる。
少子化の要因は、大きく3つに分けてとらえられる。まず挙げられるのは「晩婚化」である。女性が高学歴化し、継続的で安定した職業を求めるようになってきた。職業的な安定は経済的にも余裕をもたらすこととなり、女性の社会的地位も向上する。結果、婚姻時期...