工業高等専門学校を卒業する際に書いた論文の要約です。
大したことは書いてありませんが、参考、アイデアのアプローチなどとして拝見していただければと思います。
センサネットワークの製作
はじめに
現代の社会は情報社会と呼ばれている。「情報社会」つまり、人々は絶えずあらゆる情報をなんらかの端末、機器を用いて得ている。その情報の種類は、画像、音声、動画、テキストなど様々である。情報を得ようとする人は、無線・有線に限らず通信できる場所であれば、時間帯を気にせず情報を得ることができる。これが「ユビキタス社会」である。
近年使われている通信モジュールとしてBluetoothや無線LAN、Zigbeeがある。これらはユビキタス社会を目指すのに向いていると言える。その中でもZigbeeは省電力、低コスト、小型を実現している。しかし、Zigbeeは通信速度が小さいためにデータ量が大きいものには不向きである。向いているとすればセンサなどの物理量を数値化したものだ。そこで、本研究ではセンサを用いたネットワーク、すなわちセンサネットワークを作製し、現代の目指す「ユビキタス社会」に近づくことを目標とする。
Zig-100Bの概要
今回使用するのはZigbeeのZig-100Bというモジュールである。Zig-100Bの外観と仕様を以下に示す。
最大通信速度 250kbps 動作電圧 DC3.3V±10% 最大消費電力 32mA 使用周波数帯 2.4GHz帯 変調方式 O-QPSK 拡散方式 DSSS 占有周波数帯域幅 2.906MHz 拡散帯域幅 1.703MHz
基板の作製
センサネットワーク基板を作るにおいて、ネットワークを構成する通信基板とセンサ基板を別々で作製する。
下の図がイメージ図である。センサ基板を取り外し可能にすることにより、センサ基板を様々な種類に取り換えることができるからである。
マザーボードの作製
まず、通信を行うマザーボードを作製する。図3が作製したマザーボードである。このプリント基板は”PCBE”によってパターン図を作製した。下部にある左右のソケットがセンサ基板をコネクトするソケットで、上のソケットがZig-100B用である。(PIC、Zig-100Bは取り付けていない状態)
今回使用するPICは16F785で、USART機能が内蔵していないため、ソフトウェアでUSARTを実現した。
センサで計測したデータを送信する側と、そのデータを受信する側の2枚のマザーボードを作製した。受信したデータはRS232Cケーブルを通し、Windowsのハイパーターミナルでモニターする。
5.まとめ、今後の課題
本稿ではここまでだが、随時センサ基板を作製していく。2つだけではネットワークとは呼びがたいので、基板も追加していきたい。今後の課題としては、Zigbeeの特徴を生かした省電力化や、受信したデータを表計算ソフトに自動的に記録できるようにしたい。
6.参考文献、参考資料
後閑哲也 著 「電子制御のためのPIC応用ガイドブック」 技術評論社
佐藤次男・佐藤裕哉 著 「はじめてのPIC電子工作」 日刊工業新聞社
PIC16F785データシート microchip社
図1:Zig-100Bの外観
表1:Zig-100Bの仕様
図2:基板構成のイメージ
図3:マザーボードの外観