1 後で判明した傷害行為と、常習傷害の事実とは常習一罪の関係。→新たに判明した別の傷害行為について、あらためて甲を逮捕・勾留できるか?
(1)被疑者の身体の自由を拘束することは重大な人権の制限である以上、できる限り限定すべき。現行法上も逮捕・勾留について厳格な期間制限を設けている(203〜208の2)。
⇔一罪につき逮捕・勾留を繰り返し行えるとすると、法の制限を潜脱し人権保障を図る趣旨が骨抜きにされてしまう。
⇒一罪につき逮捕・勾留は一回に限るべき。→複数の逮捕・勾留は重複させることはできない(一罪一逮捕一勾留の原則)。
(2)「一罪」の範囲はいかに?
刑事訴訟法は国の刑罰権を実現する手続きである→実定法上一罪とされるものに対しては国家の刑罰権は1個のみ。
⇒実定法上の一罪は訴訟法上も1個として扱うべき。→逮捕・勾留の段階においても検察官は一罪の全部について同時処理の義務を負う。
⇒「一罪」とは実体法上の一罪を指す。
(3)(本件では)新たに判明事実が実体法上一罪の一部に過ぎない以上、あらためて逮捕・勾留できないことになりそう。
⇔後に判明した事実について、罪証隠滅・逃亡の防止という捜査の必要性が明らかであるにもかかわらず逮捕・勾留できないとすると、実体的真実発見という法の目的に照らし不当。
一罪一逮捕一勾留の原則
1 後で判明した傷害行為と、常習傷害の事実とは常習一罪の関係。→新たに判明した別の傷害行為について、あらためて甲を逮捕・勾留できるか?
(1)被疑者の身体の自由を拘束することは重大な人権の制限である以上、できる限り限定すべき。現行法上も逮捕・勾留について厳格な期間制限を設けている(203~208の2)。
⇔一罪につき逮捕・勾留を繰り返し行えるとすると、法の制限を潜脱し人権保障を図る趣旨が骨抜きにされてしまう。
⇒一罪につき逮捕・勾留は一回に限るべき。→複数の逮捕・勾留は重複させることはできない(一罪一逮捕一勾留の原則)。
(2)「一罪」の範囲はいかに?
刑事訴訟法は国の刑罰権を実現する手続きである→実定法上一罪とされるものに対しては国家の刑罰権は1個のみ。
⇒実定法上の一罪は訴訟法上も1個として扱うべき。→逮捕・勾留の段階においても検察官は一罪の全部について同時処理の義務を負う。
⇒「一罪」とは実体法上の一罪を指す。
(3)(本件では)新たに判明事実が実体法上一罪の一部に過ぎない以上、あらためて逮捕・勾留できないことになりそう。
⇔後に...