評価A
「保育所における乳児保育の課題について述べよ。」
子育ての家庭責任から社会的支援へ
戦後の日本保育・子育て政策を規定してきたのは、「家庭保育第一主義」または「保育の私事か」といわれるものである。
そして、国の保育政策は、少子化が深刻化するまで家庭保育第一主義に基づき展開され、子育てや保育は「母親の責任」であって「私事」に属するのであり保育所や子育ての公的支援は限定されたものとして実施された。しかし、高度経済成長期を通して共働きを志向する女性が年々拡大し、保育所のニーズが高まる一方であり、都心部を中心に保育所の増設、低年齢児保育のニーズが高まっている。
そして共働きが増加していくにつれ、社会的にも「共働き」に対して特別視する意識も薄くなり、常識化している。その結果、核家族化がすすみ母親は「育児」、「就労」、「家事」の三重の負担を背負うことになり、子育ての「私事化」、保育や子育てに関して「社会的支援」の欲求が強くなってきたのである。
こうして国は、少子化現象を目の前にして「家庭保育第一主義」を維持することはできなくなり、国民の共働きに対する価値観の変化を踏まえて「社会...