我が国における健康観の変遷について述べよ。

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    「我が国における健康観の変遷について述べよ」
    「健康」という言葉には、「体に悪いところがなく、心身が健やかなこと」という意味がある。「健やか」とは「病気をせず、体の丈夫なさま」という意味だ。これら言葉上の意味で単純に表現してしまうなら、「健康」とは「病気ではない」状態であり、「病気」とは「健康ではない」状態と表現できる。つまり、「健康」と「病気」には、対極的な意味がある故に深い関係性があるということとなる。ならば「健康」に関する意識や価値観が時代の流れとともに変わってきたとして、それと関係性がある「病気」に対する人々の見方や考え方も、同じく今日まで変遷を重ねてきたと考えられるのではないだろうか。その流れを主に調べることにより、健康観の変遷を別の面から探ってみたい。
    まず江戸時代の後期では、病気は人々にとって「人智を超えたもの」のようであった。
    政治も長く安定し、人々の関心が自分達の生活へ向けられるようになった頃。庶民も医者にかかれるようになり、薬の流通が広がったこともあって、とりわけその関心は健康へと向けられた。だが、医療技術そして病や薬への知識は、当然ながら未発達である。特に流行病な...

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