医療におけるコミュニケーションの目的
相互の発するメッセージの意味や感情の理解を深め、信頼できる関係性を築くこと。
この目的によって良好な人間関係が成立してこそ、医療が成立する。
そのためには、様々な技術がある。
①傾聴の技術
傾聴とは看護技術の一つであり、「相手の感情や思考にそって、相手の話に耳を傾けること」と定義されている。聴くことによって、話し手、聴き手、両者にもたらされる利点があるが、共通の利点として、理解しあうことができる、ということがあげられる。また、相互関係の安定性を増幅する効果もある。
聴くためにはまず、条件を整える必要がある。
・相手の話に集中し、さえぎらないこと
・感情を否認しないこと
・根拠のない保証はしないこと
・会話の内容に関して、判断をくださないこと
・最後まで聴き通すこと
以上の5点が条件としてあげられる。
この条件が揃った時に、受容的態度となり、相手も話しやすくなる。
医療の現場では、患者は、話したいことがあっても切り出せないことが多い。そのため、患者の表情・行動を観察し、「何か話したそうだな」と直感的に読み取ることが大切である。そして、その様な...