検察官【薯】検察官
ロシアの首都ペテルブルグから離れたとある市の市長の部屋で,市長が、ある筋から、この市に近々「検察官」が査察に来るという情報が入ったということを、そこに集まった市の要人達に説明する。
その、市の要人達である市長、慈善病院長、郵便局長、判事、教育委員長たちは、検察官の査察の話を聞いて、自分達の悪行や職務怠慢がばれて,処罰されるのではないかと気が気でない。
そんな彼らは、市の地主であるボープチンスキーとドープキンスキーが検察官と思い込んだ男に半信半疑で会いに行く。
その男は、旅館で料金を払えずに四苦八苦しているフレスタコーフだった。
そのときの、フレスタコーフの話は、検察官という地位とは関係のないものであったが、なぜか検察官と思い込む。
各界の「名士」であり、教養や社会経験もある彼らではあったが、フレスタコーフが「検察官」であると誤解し、自分達の保身のために金を渡すことを決め、それぞれが賄賂をフレスタコーフに差し出す。
ゴーゴリが、本作品を書き上げた時期は、ロシアでは官僚主義が横行していた時と重なる。
この官僚主義を痛烈に批判した内容である。
官僚等の強い権力をもった者に不正なことを頼むとき...