高度情報化社会

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    高度情報化社会
    I99465, 沖本 亜弥 2001.7.5
    <はじめに>  デジタル、マルチメディア時代に向けて情報化社会が急速に進展しており、その主役を担うパソコンの普及は目を見張るばかりである。民間調査機関の調べでは、98年度の国内パソコン出荷台数は766万5千台となり、前年を10.1%上回り過去最高を記録した。また、このパソコンの普及に伴ってインターネット利用も急増しているのである。郵政省の通信白書などによると、98年の利用者は1700万人と見られている。アメリカに比べると、インターネットの普及率はまだまだ低いが、主婦層も気軽に利用する傾向にあり、また発信される情報が多種多様になっており、これからもインターネットは右肩上がりの普及を続けると見られている。この利用者が急上昇するインターネットでは、ホームページやメールマガジン・インターネット放送による情報提供だけではなく、新たなるかたちのコミュニケーションとしてメール・メーリングリスト・掲示板、それからインターネットでのショッピング、また株や投信売買などの電子商取り引きなどさまざまなことを可能にしている。そして、これからも益々可能にしていくだろう。この情報化社会においてどういった可能性があるのだろうか、またこういった社会故にどういった問題が起こりうるのだろうか。 <新聞記事>  最近、新聞などでネット上で音楽の配信を行ったり、映画やアニメ―ション・演劇などの映像の配信を行ったりしている企業がよく紹介されているが、7月3日の日本経済新聞には音楽や映像の配信だけではなく、崩れかけた人的ネットワークをインターネットで置き換えようと言う試みが始まっているということが掲載されていた。その掲載された内容は、「東京都大田区の工場経営者の有志ら約40人が昨年8月、[大田区産業情報ネットワーク協議会]を設立した。大田区の技術をネットでつなぎ、世界に発信することで、新たな受注先を開拓する狙いだ。手始めに昨年9月、大田区の技術を世界に売り込む窓口として国際コールセンターを開設した。[光ケーブルを5万キロ調達したい][衛星放送受信アンテナを1万個用意できないか]。国内外からの部品加工や試作などの注文を一括して受け、寄せられた情報はメーリングリストで会員企業に仕分けする。会員企業はいまや110社に増えた。協議会の代表を勤める機械メーカー、サヤカの猿渡盛之社長は、[町工場をネットでつなげば大企業にも匹敵する力を発揮できる]町工場群を巨大な[仮想工場]に変える構想に意欲をみせる。同センターの事務局だった大田区の第3セクター情報サービス会社、オーネットは経営不振から6月末に解散したが、その機能は大田区産業振興協会に引き継がれる予定だ。」である。この記事は、経営不振の町工場までもがインターネットで情報を流すことによって受注先を得て、大企業と同じくらいの経営を行うことを可能にしようとしているものであり、インターネットの可能性の一例ではないだろうか。 <情報化社会が可能にしたこと>  前の新聞記事で述べてたような商い方法を含め、実にさまざまな商いの方法がある。小売業でも、そのやり方は、驚くほどバラエティに富んでいる。定価で品質の高い商品を販売する百貨店、大量仕入れやセルフサービスによって価格を抑えたスーパー、安いかわりに品揃えが変化するディスカウントストア、全品百円均一の100円ショップ、相対で価格交渉が出来る昔ながらの商店、コンビニエンスストアなど、挙げればきりがない。同様に、卸売業やサービス業、製造業をはじめ、あらゆる業種が、ユニークな商いの方法をもっている。そして、ITの進歩とともに、インターネット上にも巨大な仮想の市場が誕生した。この仮想市場に、現実に存在するいろいろな商いのやり方が持ち込まれ、いちじるしく効率が向上した。ITを利用した取引は世界市場につながっている。1つの商品の買い手を世界中から捜すといった、現実世界はとても高くつく商売の方法が、インターネットを使えば、いとも簡単に実現する。このような現実世界では手間や費用がかかりすぎて、とても無理だった商いの方法が、続々とネット上で実現したのである。消費者にとっては、買い物スタイルの選択の幅が格段に広がった。それから、メーカーも世界から原材料や部品を、瞬間に調達できるようになった。  また、インターネット上では、珍しい商品も成り立つ。それは、東京で嗜好をしぼった専門店や高級店、ファッショナブルな店などが成り立つのと同じ理由である。言うまでもなく、首都圏にはたくさんの人々が住んでいる。もし首都圏の人々の1パーセントの需要をつかめば、その数は40万人近くになる。インターネットでは、その範囲が世界に広がるわけであるから、どんな変わった商売でも、同様の趣味を持つ人が世の中に存在していれば成り立つはずである。このように小さな市場を狙った商売でも成り立つのであるから、大きな市場を狙った商売で成功すれば、どれだけ巨大なビジネスになるかわからない。たとえば、1700万人もの会員をかかえる世界最大のプロバイダーであるAOL(アメリカ・オンライン)は、意外なことに同社の同社が運営するバーチャルモールのテナント料で膨大な収益をあげている。  また、アメリカのプライスライン・ドットコムのサービスは、新車、航空券、ホテル、住宅関連ローン、日用品など、消費者がほしいと思った商品について、希望価格を出せば、たくさんの企業の販売店や販売会社の中には、その価格で売ってくれるところもある。 <情報化社会の問題点>  これまで、情報化社会においてどういった可能性があるのかについて述べてきたが、これからはその便利な情報化社会故の問題点について述べていく。例えば、ホームページやパソコン通信の電子掲示板で、偽の顧客勧誘を行い、代金の振込送金だけさせて、商品を送らず、姿をくらましてしまうというような詐欺行為は、かなり多数の事例が報告されている。このような行為は、通常、偽名を用いたり、他人のIDを盗用してなされる。詐欺を行うためにハッキングによって他人のIDを取得しようとした例もある。このような詐欺を防止するための1番強力な手段は、ネットワーク・ショッピングをライセンス制にすることである。第2の方法は、公的機関や信頼できる機関などが、個人の識別番号を付与し、この番号によって売主の確実性を認証するというシステムを導入することである。しかし、このようなシステムは、個人情報の保護あるいはプライバシーの保護という観点からは問題である。  また、ネットの匿名性を悪用した誹謗中傷や嫌がらせ、更には「ネットストーカー」による被害も急増中である。その問題に対して警視庁は「ネットストーカー」による被害について、「ストーカー行為規制法」の適用で救済できないか検討を始めた。効果的に取り締まる法律がない現状のもと、ネット上では嫌がらせや名誉毀損といった人権侵害が日常的に繰り返され、被害者は泣き寝入りを余儀なくされている。 <まとめ>  高度情報化社会における可能性は日本のある地域だけだった市場もインターネットを使用することによって市場が世界へと広がるということを挙げたが、そのこと以外にもインターネットで自分好みのマンションを購入することが出来たり、家に居ながら仕事をすることが出来たり、アメリカの高校を卒業することが出来たりと今まででは想像もつかないようなことを可能にしてくれる。そして、これからも今では想像も出来ないようなことをもっともっと可能にしていってくれるであろう。そして、それにともなって、ネット上の犯罪が多発するであろう。現在のネット犯罪としては、ホームページやパソコン通信の電子掲示板で、偽の顧客勧誘を行い、代金の振込送金だけさせて、商品を送らず、姿をくらましてしまうというような詐欺行為、ネットストーカーなどがある。また、参考までに警察庁が実施した「ハイテク犯罪に関するアンケート」によって現在のネット犯罪を見てみると、回答のあった個人インターネットユーザーのうち、23パーセントが「禁制品購買の勧誘メール」、15.7パーセントが「ウィルス」、11パーセントが「メールによる迷惑行為」の被害を経験しているようである。これでは、安心してネット上で情報を流したり、安心してネット上の情報を活用したり、安心してネット上でショッピングを楽しんだりすることは難しい、だから安心して高度情報技術を使用するためにも、またこれからの情報化社会をもっともっと進展させるためにも、ネット犯罪の解決策を早急に考える必要が大いにあると思う。それから、各自情報化社会にいきる人間として利用していい情報なのか、それともそうではないのか見極める力を養うべきであると考える。

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