※参考資料にお使いください。
都市地理学に携わっている人々にとって、「都市」を定義するほど難しいことはないはずだ。
地理学は幅広い領域をもつが、大きく自然地理学と人文地理学に分けることができる。両者ともそれぞれ細かく分かれていて、人文地理学には工業地理学や農業地理学、歴史地理学や社会地理学、そして都市地理学などが含まれている。都市地理学とは都市を地理的に研究することと位置づけるとする。この見解ならば、工業地理学は工業を地理的に、農業地理学は農業を地理的に研究する分野であるといえる。では、都市地理学と他の地理学がやや異なっているのはなぜだろうか。それは、他の地理学が産業分野名称や歴史や社会などを冠しているのに対して、都市地理学は都市という地域的な名称を冠しているからであろう。つまり、都市をメインに行われている工業や農業をどう扱っているかが課題となる。
これに関しては現在の人文地理学では、もしも、工業や農業が都市内で行われていたとしても基本的に都市地理学が農業や工業を言及することはないのである。従って、産業的には第3次産業からのアプローチに限定されているといっても過言でない。これらのことから地理学内での棲み分けは出来て...